移植後の好中球減少症

kichihiro32011-03-03


移植患者では、特に移植後比較的早い段階で、頻繁に好中球減少症を来しうる。
好中球減少症の原因は様々であるが、薬剤誘因性のものが最多である。

原因となり得る薬剤として、
・免疫抑制薬;ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、リツキシマブ、抗胸腺細胞グロブリン製剤
・抗微生物薬;トリメトプリムースルファメトキサゾール、ガンシクロビル、バルガンシクロビル
・その他;アンギオテンシン転換酵素阻害薬、プロトンポンプ阻害薬
...などが含まれる。

原因薬物の特定はしばしば困難であり、薬剤の中止に伴う好中球減少症の改善が間接的な証拠となり得る。

セルセプト(ミコフェノール酸モフェチル)による好中球減少症の場合、
腎移植112例を対象とした後ろ向き研究では、MMF開始後好中球減少症が生じるまでの中央値は79日(16ー365)であった。

参考文献:
Matsui K, Clin Exp Nephrol (2010) 14: 637
Zafrani L, Am J Transpl. (2009) 9: 1816