2011-01-01から1年間の記事一覧

セフトビプロール Ceftobiprole

新規のセフェム系抗菌薬(第5世代と呼んでもよい?)。臨床試験中。 主な特徴は以下の通り。 ・PBP2aに結合可能であることから、MRSAに対しても殺菌的に作用する。 ・腸内細菌に対し、in vitroでセフタジジム、セフェピムと似た抗菌活性を持ち、腸球菌に対し…

造血幹細胞移植におけるびまん性肺胞出血(DAH)

(DAH; diffuse alveolar hemorrhage)DAHに対しては、糖質コルチコイドの全身投与、特にメチルプレドニゾロンによるパルス療法が治療の主体となる。既に免疫能が低下しており、また感染症の合併頻度も高いことから、注意が必要である。活性型第VII因子製剤が…

リネゾリドの特徴(バンコマイシンとの比較を含め)

■220例の成人を対象としたバンコマイシンとの比較研究では、MRSAによる軟部組織感染症とMRSA菌血症で、同等の効果が示された。 Stevens, DL, Herr, D, Lampiris, H, et al. Linezolid versus vancomycin for the treatment of methicillin- resistant Staphy…

吐血と下血のマネージメント

まず、バイタルサインを評価し、安定させることにつとめる。 バイタルサインの中では、脈拍と収縮期血圧が有用。 ”Shock Index”という指標(=脈拍数/収縮期血圧)による出血量を推定可能。根本的な治療は内視鏡による止血となる その前に対症療法として、 …

移植後の好中球減少症

移植患者では、特に移植後比較的早い段階で、頻繁に好中球減少症を来しうる。 好中球減少症の原因は様々であるが、薬剤誘因性のものが最多である。原因となり得る薬剤として、 ・免疫抑制薬;ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、リツキシマブ、抗…