肺炎球菌ワクチン

23種類の莢膜型の肺炎球菌を型別に培養し、殺菌後に抽出、精製した莢膜ポリサッカライドを混合したもの。
このワクチンの接種によって、含有するすべての莢膜型に対する抗体を誘導できることが臨床的に確認されており、我が国に分布する肺炎球菌莢膜型の約80%に対応することが出来る。
1回0.5mlを筋肉内、または皮下に注射する。
健常者では、少なくとも接種後5年間は効果が持続するとされており、毎年接種する必要はない。
接種対象者は2歳以上で、肺炎球菌による重篤疾患に罹患する危険が高い、以下のような場合となる。
①脾摘後(健康保険適用有り)
②脾機能不全(鎌状赤血球疾患など)
③高齢者(65歳以上)
④心、呼吸器、腎、肝の慢性疾患、糖尿病を基礎疾患に持つ場合。
⑤免疫抑制作用をもつ治療が予定されている場合。

なお、再接種時に注射部位の局所反応が初回接種時より強く表れることが観察されており、本邦では再接種を行うことができなくなっている。
その後の試験で、4年以上の間隔をあければ局所反応の増強を回避できることが確認されたため、米国では1997年より、初回接種から5年以上経過している場合に、高齢者や抗体レベルが低下しやすい患者で、再接種が可能となった。

予防接種に関するQ&A集 2006年版 P.77-80