アスペルギルス症・概要

アスペルギルス症は、空中に飛散したアスペルギルス属の生分子を吸入することで肺に感染巣が形成される。
組織内の菌は、既存の組織構築とは無関係な菌糸性発育を示すとされ、病変の特徴は、菌の増殖部周囲の壊死と著明な出血である。
凝固壊死巣の中では多数の血管内でしばしば菌塞栓が認められる。
侵襲性肺アスペルギルス症と非侵襲製肺アスペルギルス症に大別され。近年、その中間型とみなされる半侵襲性肺アスペルギルス症が提唱されている。
侵襲性肺アスペルギルス症の中でも「lobular consolidation」と「discrete nodule」の2つの病態が存在し、前者は非白血病例で、後者は骨髄抑制を伴う白血病例でしばしば見られる。

ラクトマンナンのような血中抗原は原因となる真菌が血流に接する状態で上昇するため、非侵襲性アスペルギルス症では抗原価が上昇しない。

Fusariumu、Scedosporiumはアスペルギルスと同様に糸状発育を示す糸状菌であるため、外観上は鑑別が困難である。これらの真菌は、キャンディン系抗真菌薬に対する感受性が低いが、ボリコナゾールは抗真菌活性を有する。

ケース・メソッド・アプローチ P.82-88