プロカルシトニン(PCT)

 アミノ酸116個からなる分子量13Kdaのペプチドで、
通常は甲状腺C細胞で合成される、カルシトニンの前駆体である。
細菌感染症では、TNF-αなどの炎症性サイトカインが産生され、
その刺激を受けて肺、腎、肝、脂肪細胞、筋肉といった全身の臓器で
PCTが産生され、血中に分泌される。
(この説明だと、TNF-αが産生される他の状態でも
PCTが上昇することになるが...、細菌感染特異的に上昇する理由?)

血中に分泌されたPCTは、単球の遊走を惹起し、
細菌の貪食能を高める。
また、PCTの作用によってTリンパ球が活性化される。

ウイルス感染の場合は、同時に産生されたIFN-γによってPCTの
産生抑制が起こるため、PCTが上昇しないとされる。

新井ら モダンメディア 52巻 2006, P. 14-