分子生物学

Principles of IL-6-type cytokine signaling

炎症反応に伴って放出されたIL-6は細胞表面のIL-6レセプターαとgp130に結合する。IL-6リガンドとレセプターとの相互作用の結果、活性化されたリン酸化酵素JAKによって、シグナル伝達因子STAT(特にSTAT3)のチロシン残基がリン酸化される。この結果STATは核…

プロカルシトニン(PCT)

アミノ酸116個からなる分子量13Kdaのペプチドで、 通常は甲状腺C細胞で合成される、カルシトニンの前駆体である。 細菌感染症では、TNF-αなどの炎症性サイトカインが産生され、 その刺激を受けて肺、腎、肝、脂肪細胞、筋肉といった全身の臓器で PCTが産生さ…

自然免疫 概要

正常の健康な人にとって、毎日遭遇する微生物は目に見える病気をほんのまれにしか引き起こさない。多くの微生物は、短時間に発動される防御機構によって数分から数時間のうちに感知され撃退される。それは抗原特異的なリンパ球のクローナルな増殖を必要とし…

NF-κBのはたらき

NF-κBは、遺伝子調節タンパクで、大部分の炎症で重要な役割を持っている。 脊椎動物では、2種類のサイトカイン ①腫瘍壊死因子α(TNF-α)と ②IL-1が炎症に特に重要である。 これらのサイトカインは細胞表面受容体に結合し、ほとんどの細胞の細胞質に不活性型…

急性期蛋白

TNF-α、IL-1、IL-6によって産生が誘導される蛋白は、総称して急性期蛋白 acute phase proteinと呼ばれる。 これらの蛋白の中の1つ、C反応性蛋白は、ペントラキシン pentraxin蛋白ファミリーのメンバーに属する。 C反応性蛋白は細菌と結合したとき、細胞をオ…

TNFーαの作用

マクロファージによって産生されるサイトカインは、局所作用として重要なだけでなく、生体防御に関わる遠隔作用も引き起こす。 これらの1つは体温の上昇で、主にTNF-α、IL-1、IL-6によって引き起こされる。 これらは内因性発熱物質と呼ばれ、細菌成分と異な…

ステロイドによる抗炎症作用

コルチコステロイドは自己免疫疾患、アレルギー、移植片拒絶などの有害な免疫応答を抑えるのに広く用いられている強力な抗炎症薬である。コルチコステロイドはステロイドホルモンであるグルココルチコイドの誘導体であり、コルチゾールの合成アナログ(類似…

グルココルチコイド

副腎皮質では、①グルココルチコイド②ミネラルコルチコイド、③副腎アンドロゲン…の3つの主な系統のステロイドが産生される。 従って、正常な副腎機能は、①グルココルチコイドによる内因性の代謝と免疫応答の調節、②ミネラルコルチコイドによる血圧、循環血液…