Tigecycline

kichihiro32010-08-24

NDM-1の記事で出てきた抗菌薬、チゲサイクリン(Tigecycline)について。

ミノサイクリンの構造に側鎖を追加したもので、グリシルサイクリン(glycylcycline)系に分類される。
作用機序はミノサイクリンと同様で、細菌のリボゾーム30Sサブユニットに結合し、タンパクの合成を阻害することによる。
in vitroでは臨床上重要な菌の多くに有効であり、特に耐性菌であるMRSAVRE、ESBL産生腸内細菌や、嫌気性菌をカバーする。
半減期は42.4時間で、血漿中の蛋白に71-89%が結合する。
排泄は胆汁中に59%、腎から33%で、腎障害時の用量調節は不要。
通常は、100mgを初回にローディング・ドーズとして使用し、2回目以降は50mgを12時間毎に使用する。
第3相臨床試験で、バンコマイシン+アズトレオナム併用あるいはイミペネム単剤との比較において効果は同等(非劣性)であった。
頻度の高い副作用としては、嘔気、嘔吐、下痢など、消化器系のものが中心となる。

Clinical Therapeutics. 2006, vol.28; 1079 -